
海外に移住するということが決まった際、渡航までに準備しなければならないことがたくさんあります。
日本の会社から駐在員として海外に渡航する場合は、ほとんどの手続きを会社側が代理で行う(或いは手順を教えてもらえる)為、そこまで準備に困ることはありません。
一方、海外就職(現地採用)の場合は、ほとんど全ての準備を自身で行うことになるので基本的な知識は頭に入れておきたいところです。
その中でも今回は
「海外移住の際に知っておきたい年金・保険事情」
についてお話していきます。
「海外就職することが決まったけど、役所手続き周りのことがよく分からない」といった方には是非ご一読頂きたく思います。
目次
海外移住時の年金事情
海外に移住しても年金は払い続ける必要があるの?
回答としては「No」になります。
厳密に言うと、
海外に移住する(住民票を日本から抜く)と
日本での年金支払い義務は無くなります。
学生・自営業の方であれば→国民年金
会社員の方であれば→厚生年金(厳密には厚生年金に国民年金が含まれている)
を納めていることかと思いますが、
これらの支払い義務が無くなります。
但し、支払い義務自体は無くなりますが、
老後に備えてやっぱり年金は納めておきたいと言う方もいると思います。
そういった方には国民年金の任意加入をオススメします。
これまでと同様に毎月定額を納めることで老後にも年金が受け取れます。
(但し会社員の厚生年金と比較すると最終的な受給額は低くなります。)
ご参考まで↓※2018年のデータ
厚生年金月平均受給額:約15万円
国民年金月平均受給額:約5万円
ちなみにですが筆者の場合は、国民年金に加入していません。
「年金が無いのは怖い!」と言う方には国民年金への加入手続き。
「自分で貯蓄していく!」と言う方は年金を支払う必要はありません。
※国民年金に任意加入される場合は、出国前に市役所で手続きをする必要があります。
会社を辞めて渡航する間の空白期間の年金は?
これは実際に筆者が海外移住時に
不明確なところだったのでシェアさせて頂きます。
先ほど上の項目で
「会社員の場合は厚生年金」
といった書き方をしましたが、恐らく皆さんが
海外移住をする際に、「退職した日に出国」というケースは稀だと思います。
少なからず数日〜数ヶ月といった空白期間が生まれます。
会社を退職すると「厚生年金」からは強制的に脱退させられます。
しかし日本国では年金への加入は絶対なので、国民年金への切り替えが必要になってきます。
ですので流れとしては、
厚生年金脱退→国民年金加入→国民年金脱退(または国民年金任意加入)
になります。
ちなみに私の場合は退職日から出国までの空白期間わずか2日でしたがこの2日のみ国民年金への加入を致しました。
転職の経験があると言う方には馴染みのあるプロセスかもしれませんが、
初めての方には十分お気をつけていただきたいポイントです。
会社でやってる確定拠出年金はどうなるの?
会社員として働かれている方であれば
ご存知の方も多い「確定拠出年金」。
確定拠出年金とは簡単に
「毎月定額を納め、それを元に運用して最終的に年金として受け取る制度」
です。
筆者の場合も1年半ほどでありましたが、この制度に月約1万円ほど納めていました。計約15万円程度
確定拠出年金は海外移住するとそれ以上の積み立てが出来なくなります。
つまり一時停止状態になります。
「じゃあ今まで積み立てたお金はどうなるの?」
答えは「積み立てたお金は消えない」です。
筆者の場合は
退職時に誰からも案内が無かったので、
自身で「この15万円ほどの行方」について
銀行側に問い合わせてみたところ、
年金と同じように60−65歳で受取りが可能と言うことでした。
但しそれまでの引き出しは不可、
加えて年間数百ー千円程度の管理費がかかる。
とのことでした。
筆者の場合は高額では無かったので、
今後このお金をどう運用しようかなどといったことは考えていませんが
もし既にかなりの額を積み立てていると言う方は
これまでと同様に運用方法なども検討していきましょう。
海外移住時の保険事情
国民保険って海外移住しても継続出来るの?
答えは「No」です。
海外移住をする際に住民票を抜く(海外転出届を出す)と
自動的に公的保険である国民健康保険からは脱退することになります。
年金と比較するとかなりシンプルですが
保険に関しては任意加入という制度がありません。
※短期間(一年以下)の海外居住であれば住民票を抜かない、すなわち国民保険を継続と言うパターンもありますが、海外就職の場合はこれには該当しないのが普通なので割愛します。
移住先での保険はどうするの?
これから就職する企業で医療保険をかけてもらえるケースが多いです。
但し、補償の額があまり十分でないケースもあります。
特に現地採用であれば会社から高待遇を受けれるケースは多くないので、
規定の範囲でカバーされることになります。
不安な方は
クレジットカードに付帯されている海外旅行保険
現地での保険会社
をうまく活用していきましょう。
日本に一時帰国時に病院へいった場合は?
原則、既に海外居住者としての扱いになるので、
前述した通り、
日本に一時帰国していたとしても国民健康保険は適応されません。
すなわち全額負担となります。
もし一時帰国時した際にも国民健康保険を適応したい場合は
住民票を戻す(転入届を出す)→国民年金への加入→保険証発行
そして再び現地に帰る際に
住民票を抜く(転出届を出す)→国民年金の脱退→国民健康保険の脱退
といったプロセスを歩まなければなりません。
こういったことから短期間(〜2週間程度)の一時帰国で
国民健康保険を適応させる(住民票を戻す)と言うかたは稀です。
どうしても高額の治療を日本で行わなければならないケース以外は
時間的・精神的にあまりメリットが無いのかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
海外に移住するとなると、やはりそれなりに準備は必要になってきます。
また周りにこのような境遇が多くないのが当たり前ですし、
あくまで「海外に移住する人」は少数派です。
その為、情報も掴みずらいところがあると思うので、
当ブログではなるべく分かりやすく海外就職について解説しています。
現地採用についてもう少し詳しく知りたいと言う方には下記記事がオススメです。
それでは次回の記事でお会いしましょう!